宗教について 〜 人の生と死を考える 注72

公開: 2023年3月27日

更新: 2023年4月16日

注72. 王権の継承

封建社会においては、王位の継承問題は、常に大きな社会的問題でした。王家から次の王が選ばれるとしても、王家の誰が王位を継承すべきかは、決まっているわけではないからです。王の男性の兄弟や男性の子供が王位を継承する例は多かったのですが、王の長男と王の弟が、王権を争う例は、多くありました。さらに、王に男性の子がない場合には、問題は複雑になります。イギリスとフランスの間で戦われた100年戦争は、そのような例の一つです。

王位の継承争いが起こるのは、そのように、誰が次の王になるべきかが決まっていないからでした。そのような理由から、王位を継承できる人々の中から、周囲の人々が、最も王にふさわしいと思う人を推薦し、その中から王が選ばれるわけですが、場合によっては、王の候補者が暗殺されたり、毒殺されたりしました。この封建制度を崩壊させたのが、18世紀のフランスで起こったフランス革命でした。市民が、国王を捕らえ、処刑し、議会で支配者を決めることになりました。

フランス革命では、市民が、王を捕らえ、ギロチンにかけて殺し、議会で王の代わりとなる皇帝や指導者を選ぶようになりました。しかし、その国の指導者を選ぶ過程では、社会に大きな混乱が起きました。その混乱を見た、他のヨーロッパ諸国では、封建制度を守ろうとする、古い勢力が協力して、市民の活動を抑え込もうとしました。しかし、結果的には、全ての国が封建時代の王制を廃止しました。そして、民主的な方法で、国の支配者を選ぶようになったのです。

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